早期退職しても退職前の健康保険と同じように給付は受けられるの?
早期退職すると医療保険の保険料はどうなるの?
こんな疑問に答えます。
結論は、ずばり「早期退職後も医療保険の給付を受けることができる」です。
日本は「国民皆保険制度」。
「誰でも」「どこでも」「いつでも」医療保険の給付を受けることができる素晴らしい国です!
ただし、タダではありません!
早期退職後もなんらかの医療保険に加入する義務があるため、支出が発生することを認識しておきましょう。
医療保険の影響もしっかり考えた上で、早期退職後のマネープランを立てていきましょう。
それでは詳しく解説していきます。
健康保険ってどんなもの?
そもそも「健康保険」って何?
健康保険とは、会社員(被保険者)とその家族(被扶養者)が病気・ケガ・死亡・出産したときに給付を受けられる制度のこと。
なぜ給付を受けられるのかというと、被保険者である会社員が納めた健康保険料が医療費の支払いなどを支えるために使用されているから。
会社員やその家族は、かかった医療費の3割だけ病院の窓口で支払いすればいいんだよね。
残りの7割は被保険者が納める健康保険料から支払われています。
協会けんぽと組合健保
健康保険は、
- 全国健康保険協会による健康保険(協会けんぽ)
- 全国健康保険協会による健康保険(協会けんぽ)
の2種類があります。
健康保険の保険料
保険料は、給料から天引きされる仕組みで次の通り計算されています。
健康保険料=標準報酬月額&標準賞与額×健康保険料率
健康保険料率はだいたい10%!
健康保険料は会社と被保険者である会社員が半分ずつ負担している形になります。
額面の約5%が健康保険の保険料として月々納められているってことね。
協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに違います。また、組合健保の保険料率は一定範囲内で組合が決めることができます。
健康保険の給付内容
健康保険の主な給付は次の通り。
- 療養の給付、家族療養費
- 高額療養費
- 出産育児一時金、家族出産育児一時金
- 出産手当金
- 傷病手当金
- 埋葬料、家族埋葬料
健康保険は、「誰でも」「どこでも」「いつでも」医療保険の給付を受けられる大変すばらしい仕組みです!
早期退職すると健康保険はどうなるの?
健康保険って会社員とその家族が対象でしょ?早期退職したら健康保険ってどうなっちゃうの?
早期退職後も医療保険の給付を受けることができます。
日本の医療保険は「国民皆保険制度」。
だれでも医療保険の給付を受けることができます。
ただし、給付を受けるためには保険料を納める必要があります。
早期退職後も保険料を支払うことになるわけね。
早期退職後の選択肢
早期退職後、医療保険の選択肢としては次の3つがあります。
- 在職時の健康保険(協会けんぽ/健保組合)を任意継続する(2年間)
- 国民健康保険に加入
- 家族の扶養に入る
家族の扶養に入れない場合、①か②を選択することになりますね。
①在職時の健康保険を任意継続する
健康保険の保険料は収入にのみ比例して増えるシンプルなもの。
一方で、国民健康保険の場合は前年の収入に比例する部分(所得割)だけでなく家族の人数などで決まる均等割の負担もあります。
家族の人数が多い場合、在職時の健康保険よりも退職後の国民健康保険の方が保険料が高くなるケースもしばしば。
保険料が高くなるのは勘弁して下さい!
そこで協会けんぽもしくは健保組合に対して任意継続の手続きを行えば、在職時の健康保険に2年間だけとどまることができます。
任意継続の概要は次の通り。
【条件】
- 健康保険の加入期間が2か月以上ある
【手続き】
- 退職日の翌日から20日以内に申請する
【ポイント】
- 2年間保険料は変わらない
- 会社負担分も自己負担になる(全額自己負担)
- 扶養家族の保険料がかからない
②国民健康保険に加入
国民健康保険のポイントは次の通り。
【手続き】
- 退職日の翌日から14日以内に市区町村に申請する
【ポイント】
- 保険料は前年の収入(所得割)と家族の人数など(均等割)で決まる
- 扶養の概念がない(家族が多ければその分保険料も高くなる)
- 給付内容も健康保険と一部異なる
国民健康保険の給付内容は健康保険とほぼ同じ。
ただし、一般に「出産手当金」や「傷病手当金」はありません。
(現在は新型コロナウイルスの感染に対して傷病手当金を出すケースもあるようです。)
早期退職後も医療保険の給付は受けられますが、そのためには保険料を納める必要があります。
医療保険の保険料は、早期退職後に発生する支出の1つとしてきちんと把握しておくことが大切です!
早期退職後の医療保険はどうすればいいのか?
結局、早期退職後の医療保険はどうすればいいの?
夫婦共働きでどちらかが退職する場合は、保険料の負担が無い「家族の扶養に入る」のが一番。
扶養に入れない場合は、「任意継続する」か「国民健康保険に加入する」かは保険料で決めれば良いと思います。
どちらの保険料が安いかは、前年の収入や家族構成など条件によって変わります。
任意継続か国民健康保険に加入するか
国民健康保険では、前年の収入(所得割)に加え家族の人数など(均等割)も保険料に考慮されています。
前年の収入が多かった場合や扶養家族が多い場合は、任意継続する方が保険料が安くなります。
任意継続なら扶養家族が何人いても保険料は変わりません!
一方で、前年の収入が一定以下の場合は国民健康保険を選んだ方が保険料が安くなります。
どの方法が良いのかは、加入している健康保険組合や協会けんぽ等に確認してみて下さい。
まとめ
今回は、早期退職後の医療保険について解説しました。
- 日本は「国民皆保険制度」。早期退職後も医療保険に加入する必要がある。
- 早期退職後の医療保険は、「任意継続」「国民健康保険」「扶養に入る」の3つ。
- 扶養に入れない場合、任意継続するか国民健康保険に加入するかは保険料で決めれば良い。
早期退職後も医療保険の給付を受けるためには保険料を納める必要があります。
早期退職して収入がゼロになったとしても、それなりの金額が保険料として出ていくことになるため注意が必要です!