「CFD取引なんてやめとけ」って言われてるけど、ぶっちゃけどうなの?
忙しい会社員でもCFD取引で資産を増やすことって可能なの?
こんな疑問に答えます。
結論は、ずばり「本業が忙しい会社員がCFD取引をするなら超消極的運用が向いている」です。
CFD取引とは、「Contract For Difference」の頭文字をとったもので「差金決済取引」のこと。
「差金決済取引」では、現物での受け渡しをせずに差額だけのやり取りが発生します。
よく聞く「FX取引」もCFD取引の仲間です。
CFD取引には「世界中の資産に投資できる」「ほぼ24時間取引できる」「レバレッジをかけられる」などの特徴がありますが、忙しい会社員がCFD取引を使って資産運用をする場合のポイントは次の4つです。
- 「買い」ポジションのみ
- 中長期で運用する
- 株式指数に連動する銘柄を選ぶ
- 取引のタイミングは狙わない
CFD取引を賢く活用して、効率的に資産を増やしましょう!
それでは詳しく解説していきます。
実際に投資を行う際にはさまざまなリスクを正しく認識したうえで、自分自身の判断と責任に基づいて行なうようにして下さい。投資は自己責任でお願いします!
「CFD取引なんてやめとけ!」は正しいのか?
CFD取引ならレバレッジを効かせられるって聞いたけど、それって危なくない?
レバレッジをかければ大儲けできるかな!?
CFD取引を始める前に、ポイントを押さえておくことが大切です。
CFD取引は現物株式や投資信託と異なり、各種調整額やロスカットなどによって損失を出す可能性があります。
取引を始める前に注意すべきポイントを理解しておきましょう。
注意点1:各種調整額が発生する
CFD取引では特有の「調整額」が発生します。
具体的には次の3つ。(証券会社によって若干名称が異なりますが、内容はほぼ同じ。)
- 金利調整額
- 権利調整額
- 価格調整額
CFD取引では対象とする資産(原資産)によってこれらの調整額が発生するため、取引の前によく確認しておくことが大切です。
金利調整額
保有しているポジションを翌営業日に持ち越した(オーバーナイト)際に発生するものです。
ポジションを保有している間は、ポジションが買いか売りかによって金利調整額の「受け取り」または「支払い」が発生することになります。
権利調整額
株式の配当金や分配金に相当するもので、個別株などを原資産とする銘柄で発生します。
原資産とする株式などで配当金や分配金の支払いがあった場合、保有するポジションに応じて、権利調整額の「受け取り」または「支払い」が発生することになります。
「買い」ポジションでは受け取り、反対に「売り」ポジションでは支払うことになります。
価格調整額
価格調整額は、「先物」を原資産とする銘柄で発生します。
先物取引はあらかじめ期日が定められていて、現物株式の取引とは異なりいつまでも持ち続けることはできません。
一方で、CFD取引には期日がなくいつまでも持ち続けることが可能です。
そのためCFD取引では原資産とする先物が期日をむかえる前に、次の期日の先物に乗り換える必要があります。
原資産とする先物を次の期日に乗り換える際に、先物の価格差を調整するために価格調整額が発生します。
注意点2:ロスカットされる可能性がある
CFD取引は、証拠金を担保として預けて取引開始時と終了時の価格差によって「もうけ」を出す仕組みです。
証拠金取引なので、一定水準以上の損失を被った場合は損失の拡大を防ぐために保有しているポジションを強制的に決済されてしまいます。(ロスカット)
大きくレバレッジをかければ(証拠金が少なければ)、保有する銘柄の価格変動によって速攻でロスカットされてしまい損失が確定してしまう事態に…。
CFD取引では候補とする銘柄のリスク(価格の振れ幅)をよく理解し、適切な証拠金を預け入れる必要があります。
リスクコントロールが重要!
というわけで、CFD取引では注意すべきポイントがいくつかあります。
ポイントを押さえつつ、資産形成に活用していくことが大切です。
忙しい会社員がCFD取引で資産を増やすコツ
本業に日々追われる会社員。
そんな会社員がCFD取引で資産を増やしていくためにはどうすればいいのか?
それは、ずばり「短期間で大儲けすることを考えないこと」です。
本業がある会社員は、ずっとパソコンに張り付いてチャートとにらめっこしているわけにはいきません。
積極的に取引をしようとすると本業がおろそかになりますし、そもそも投資経験が無ければ短期間で儲けを出すことは難しいです。
ここからは、本業が忙しい会社員がCFD取引で資産を増やすコツについて解説していきたいと思います。
極力消極的に運用する
忙しい会社員がCFD取引で資産を増やすコツは、一言で言えば「消極的に運用する」こと。
具体的には次の4つです。
- 「買い」ポジションのみ
- 中長期で運用する
- 株式指数に連動する銘柄を選ぶ
- 取引のタイミングは狙わない
「消極的な運用」とは、インデックスファンドの積立投資のようなものをイメージしてもらえばOKです。
「買い」ポジションのみ
CFD取引では「買い」だけでなく「売り」ポジションを持つことも可能です。
ある銘柄に対して今後価格が下がると予想できる場合は、売りポジションを持つことで利益を得ることができます。
しかし、本業を抱える会社員が分析と予測を行いながら取引を繰り返していくのは困難ですよね。
そんなことをすれば本業が疎かになってしまいます。
また、未来の価格を完璧に予測することは神様じゃない限りできません。
それよりも、将来的に上昇することが期待できる銘柄を「買い」のポジションで保有し続ける方が労力をかけずに利益を狙いやすいはず。
先物取引と違い、レバレッジをかけながら「ポジションを保有し続けられる」のもCFD取引の大きな魅力の1つです。
忙しい会社員がCFD取引をするなら、将来的に価格の上昇が期待できる銘柄を「買い」ポジションで保有し続ける。
中長期で運用する
CFD取引に限らず、忙しい会社員が資産を増やすためには中長期的な投資が不可欠。
積立投資など、少額を定期的に投資し続けていく運用方法が向いています。
さらに、中長期で運用するならコスト面の注意が必要です。
CFD取引では低コストな銘柄もあるので、中長期での運用にも活用できるでしょう。
過去記事:「ライフサイクル投資術」を実践!コストで選ぶならレバナスは外すかも
また、レバレッジを高く設定するとすぐにロスカットされ強制退場となってしまう可能性が出てきます。
レバレッジの上げすぎは危険!
口座に預ける資金(証拠金)を調整して適切なレベルまでレバレッジを下げることが不可欠です。
イアン・エアーズ/バリー・ネイルバフ氏の「ライフサイクル投資術」では、レバレッジは最大でも2倍までとされています。
それ以上のレバレッジをかけるとロスカットされる危険が高くなるためです。
レバレッジを適切に調整しつつ、中長期での運用を心掛けましょう。
忙しい会社員がCFD取引をするなら、中長期での運用を心掛ける。
レバレッジは2倍まで。
株式指数に連動する銘柄を選ぶ
個別の株式/商品に投資するにあたっては相応の知識が必要になり、本業がある会社員にとってはどうしてもハードルが高くなります。
個別の株式や商品に対する知識がないけれども、資産形成を行いたい場合はどうすれば良いの?
その場合は、「株式指数に連動」する銘柄を買うという手があります。
「株式指数に連動」する銘柄を買うことは、株式市場全体を買うことと同じ。
株式市場全体を買うことで投資対象を分散させる効果が期待できます。
株式指数に連動する銘柄のうち、米国の株式指数は今後も成長が期待できると考えています。
米国株式指数の代表的なものは次の通り。
- NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均):輸送と公益事業セクターを除くすべての産業をカバー
- S&P500:ニューヨーク証券取引所・NYSE MKT・NASDAQに上場している代表的な500社
- ナスダック:NASDAQに上場する金融銘柄を除く時価総額上位100銘柄
特に、「S&P500」は次の通り厳しい採用条件が課されており、かなりダイナミックに銘柄の入れ替えが行われています。
- 時価総額が53億ドル以上
- 浮動株が発行済み株式総数の50%以上
- 4四半期連続で黒字利益を維持
厳しい条件をクリアした会社じゃなければ構成銘柄に入れてもらえないってことね!
株式指数に連動する銘柄を選ぶ際には、新陳代謝が適切に行われている株式指数を選ぶことが大切です。
忙しい会社員がCFD取引をするなら、分散効果が期待できる株式指数に連動する銘柄を選ぶ。
取引のタイミングは狙わない
投資の知識が豊富であれば、適切な取引のタイミングを見極めることができるかもしれません。
しかし、投資経験がほとんど無い会社員が取引のタイミングをはかることは不可能です。
取引タイミングで一喜一憂するのは精神衛生上も良くないです。
じゃあ、どうすれば良いの?
会社員には「毎月決まった日に機械的に積み立てていく方法」が適しています。
しかし、残念ながらCFD取引では投資信託のように自動積立ができません。
そのため、自分で銀行口座からお金を引き出して定期的に買い増しを行う必要があります。
もしくは、同じ株式指数に連動する「投資信託」を自動積立設定にしておき、ある程度積立できた時点でファンドを解約→CFDに切り替えるという方法もあります。
いずれにしても、取引のタイミングを狙うことはせずに機械的に淡々と買い増していく方法が本業を抱える会社員には適しています。
忙しい会社員がCFD取引をするなら、毎月決まった日に機械的に買い増していくのが良い。
本業が忙しい会社員が投資についてあれこれ考えるのは無理があります。
あらかじめルールを決めておき、そのルールに従って淡々と運用していくことが大切です。
これからCFD取引を始めるなら
CFD取引ができる証券会社は複数ありますが、これから始めるなら「GMOクリック証券」がオススメです。
理由は、上で解説した消極的な運用が最もやりやすいからです。
S&P500で消極的運用をするならGMOクリック証券
上で解説した消極的な運用方法を実践しようとした場合、
- 中長期で運用するなら、運用コストが低い方が良い
- 毎月機械的に買い増していくなら、取引コストが安く少額から取引できるとうれしい
と考えることができます。
どの証券会社がこれらの条件を満たしているの?
消極的な運用方法に適した証券会社を確認するために、ここでは一例として「S&P500」に連動する銘柄を対象として各社の取引条件を比較してみます。
S&P500に連動する銘柄 | 取引手数料 /レバレッジ | スプレッド | 取引単位 | 金利調整額 | |
GMOクリック証券 | 米国S500 | 無料/10倍 | 0.3 | 0.1枚 | なし |
サクソバンク証券 | 米国S500種株価指数 | 無料/10倍 | 0.5 | 0.1枚 | あり (オーバーナイト金利) |
IG証券 | 米国500 | 無料/10倍 | 0.6 | 0.1枚 | あり (ファインディングコスト) |
DMM CFD | 米国S&P500 | 無料/10倍 | 0.5 | 1枚 | なし |
楽天証券 | US500 | 無料/10倍 | 0.6 | 1枚 | あり (金利相当額) |
SBIネオトレード証券 | 米国500 | 無料/10倍 | ??? | 0.1枚 | あり |
OANDA証券 | US500 | 無料/10倍 | 0.5 | 1枚 | あり (ファイナンシングコスト) |
CFD取引ではどの証券会社も売買手数料は無料ですが、実質的にはスプレッドが売買手数料となります。
したがって、スプレッドは小さい方が嬉しいです。
レバレッジはいずれの会社も10倍です。これは預け入れる証拠金を増やすことで調整が可能です。
10倍ではちょっとの価格変動ですぐにロスカットされてしまう可能性があるため、必ず2倍以下に設定するようにしましょう。
CFD取引において保有時のコストとなりうるのが、「金利調整額」です。(証券会社ごとに名称が異なることがあります。)
「GMOクリック証券」や「DMM CFD」では金利調整額が発生しないため、コストを気にせずポジションを持ち続けることができます。
他社では金利調整額が発生するため、長期での保有がしにくくなってしまいます。
比較の結果、消極的な運用をするにはGMOクリック証券が優れているといえそうです。
理由は、次の3つ。
- スプレッド(実質的な売買手数料)が比較的小さい
- 取引単位が最低水準レベルのため、毎月少額での買い増しがしやすい
- 金利調整額が発生しないため、長期でポジションを持っていてもコストがかからない
CFD取引で消極的な運用をするなら「GMOクリック証券」がオススメです。
まとめ
今回は、会社員がCFD取引を使う際の賢い資産運用について解説しました。
- CFD取引には注意すべきポイントがいくつかあるため、事前によく理解しておくことが大切。特に、レバレッジを大きくするとロスカットの危険があるため要注意!
- 忙しい会社員がCFD取引で資産を増やすなら、極力消極的な運用を心掛けること。
- CFD取引の消極的な運用に適している証券会社は、GMOクリック証券。
本業を抱える会社員なら、短期間で大きく儲けようとしないことが大切です!
CFD取引を賢く使っていきましょう!
注意点:実際に投資を行う際にはさまざまなリスクを正しく認識したうえで、自分自身の判断と責任に基づいて行なうようにして下さい。投資は自己責任でお願いします!