家を買いたいけど、不安が多すぎて購入に踏みきれない…。
住宅購入に迷う人/購入に踏みきれない人の意見を聞きたい!
こんな疑問に答えます。
結論は、ずばり「家を買わない選択肢もアリ」です。
家を買う買わないは個人の自由。
住宅購入に不安があるなら無理して買う必要はありません!
また、もし家を買うならできるだけ不安な点は解消すべき!
私は子供が生まれたタイミングで住宅購入を真剣に検討しましたが、紆余曲折あり結局家を買えずに今に至っています…。
そんな私が、「なぜ住宅購入に迷いがでるのか?」理由を整理してみました。
それでは詳しく解説していきます。
世の中家を買わせようとする方向に動いている
世の中には家を買わせようとする誘惑がたくさんあります。
新築マンションや分譲住宅のチラシを見ると、将来の夢が膨らむよね~。
少し前に空き家問題が話題になりましたが、にもかかわらず住宅供給は続いています。
住宅の供給が過剰でも新しいマンションや分譲住宅が作られるのは、それだけ家を買うことによる経済効果が大きいということ。
空き家が増え続けるのに住宅供給は続く
次のデータは少し古いものですが、空き家が年々増え続けているのが分かります。
それでも毎年一定水準の住宅が作られ続けています。
空き家が増え続けているのに、住宅は供給され続けている状態です。
家を買うことの経済波及効果
住宅建設が生む経済波及効果は、住宅建設そのものの費用と同じくらいあるようです。
空き家が年々増えようと、経済効果が大きい(恩恵を受ける人がたくさんいる)ので住宅は供給され続けています。
住宅購入にかかわる優遇措置・補助金
住宅購入にかかわる優遇措置はたくさんあります。
- 住宅ローン減税:住宅ローン減税の控除期間が13年間
住まい給付金:収入に応じて最大50万円を給付←2022年末で終了- 住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税措置:贈与税非課税枠は最大1,500万円
- グリーン住宅ポイント制度:新築最大40万円相当、リフォーム最大30万円相当
また、中古住宅購入時の補助金制度もあります。
- こどもエコすまい支援事業:高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅取得に対して100万円・住宅の省エネ改修等に対して内容に応じて5~60万円
- 先進的窓リノベ事業:断熱窓への改修に対して5万円~200万円
- 給湯省エネ事業:高効率給湯器の設置に対して5~15万円
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業:リフォームの内容によって最大250万円
- 自治体の補助金
住宅購入のモチベーションを上げて経済を活性化させるための優遇処置はたくさんあります。
世の中は国民に家を買わせようとする方向に動いているといえます。
家を買う上での不安要素
我が家は子供が生まれたタイミングで住宅購入を真剣に検討したものの、結局家を買うまでには至りませんでした…。
理由は、家を買うことに対する不安が大きすぎるから。
家を買う上でどんな不安要素があるのか見ていきます。
①住宅に縛られてしまう
1つめの不安要素は「住宅に縛られてしまう」です。
住宅は一度購入すると簡単には手放すことができません。
住宅を購入してしまうと、人生の変化に対して柔軟に対応しづらくなる恐れがあります。
例えば、
- 世の中の変化に対応するため転勤や転職などが増える。
- いずれ子供も独立する。(家族のために購入した家は夫婦2人には広すぎる)
- 老後に介護が必要になれば老人ホームや病院等にお世話になる。
といった感じ。
賃貸であれば状況に応じてすぐに住み替えることができますが、住宅を購入した場合には簡単に手放すことができません。(=住宅に縛られる)
対策としては、売る(/貸す)前提で買うことです。
資産価値の下がりにくい土地(エリア)を選ぶことによって、購入した物件を売ったり貸したりしやすくなる可能性はあります。
もし家を買うなら、「都市計画」や「人口動態」などをみて将来的な資産価値を予想することが大切です。
②将来の変動リスク(何が起こるか分からない)
2つ目の不安要素は「将来の変動リスク」です。
具体的には次の通り。
- 返済に長い時間がかかる
- 家計への影響が大きい
- 災害リスクもある
返済に長い時間がかかる
一般的なサラリーマンであれば家を買う際に住宅ローンとして多額のお金を金融機関から借ります。
そのローンを長い時間をかけて返済していくことになります。
返済が完了するまでの間、自らの収入が100%保障されているわけではありません。
にもかかわらず、毎月決まった額の返済だけが約束させられている状態。
勤めている会社が倒産したり、会社からリストラされる可能性もゼロじゃありません。
もし家を買って長期の住宅ローンを組むなら、
- 収入源を複数確保する
- 会社に頼らずに収入を得るスキルを身に付ける
などがあれば安心だと思います。
家計への影響が大きい
家を買う場合、会社員の生涯年収2~3億円の中でそれなりのお金を住宅にかけることになります。
家計は不動産と住宅ローンが大部分を占めることに。
当たり前ですが、購入した住宅の金額が高ければ高いほど家計に与える影響は大きくなります。
例えば、
預金などの金融資産に加えて購入した住宅も合わせて資産合計を5,000万円と仮定します。
負債は住宅ローンの3500万円に加えて、その他車のローンを含め合計3,700万円とします。
この場合、住宅購入時点の総資産は5,000万円ー3,700万円=1,300万円。
- 資産合計:5,000万円
- 負債合計:3,700万円(住宅+車のローン残高)
- 純資産:1,300万円
バランスシートにするとこんな感じ。
15年後、住宅ローンは毎月10万円(ボーナス払い無しで計1,800万円)を順調に返済したとします。
車のローンは完済し、定期預金(毎年10万円)と財形貯蓄(毎年12万円)も積み立ててきました(10万円×15年+12万円×15年⇒資産+330万円)。
ここで住宅の資産価格が大きく下がってしまった場合どうなるでしょう?
仮に住宅の資産価格が15年で3,800万円から1,500万円になったとすると、資産から2,300万円(3,800万円-1,500万円)が消えてしまいます。
その結果、
- 資産合計:3,030万円(=5,000万+330万ー2,300万)
- 負債合計:1,700万円(=3,700万-1,800万-200万)
- 純資産:1,330万円(=3,030万ー1,700万)
純資産としては15年間で30万円(1,330万円-1,300万円)しか増えていないことになります。
頑張って15年ローン返済してきたのに、30万円…。
住宅の資産価格がバランスシートの大きな割合を占めると、家計の純資産に与える影響がとても大きくなります。
もし住宅の資産価格がゼロになれば純資産はマイナスに…。
家計のバランスシートのうち住宅資産の割合が大きくなりすぎないようにすることが大切!
高すぎる住宅は買わないってことね!
災害リスクもある
日本は海外に比べて、地震をはじめ自然災害が非常に多い国。
特に地震は、世界中で起こったマグニチュード6.0以上の地震の5回に1回が日本で起こっています。
じゃあ、地震保険に加入すればいい?
地震保険は火災保険に上乗せする形でしか契約できず、しかも、最大で被害の半分程度しか保障されません。
病気がちな人が生命保険に加入しようとするのと同じようなものなので、保険料が非常に高くなってしまいます。
自然災害を防ぐことは不可能。
各市町村から出されているハザードマップ等で災害を予測するしかありません。
③不動産仲介業者が信用できない
3つ目の不安要素は「不動産仲介業者を信用できない」です。
住宅を購入する側(買い手)と不動産仲介業者(売り手)との間には埋められない情報格差があります。
不動産仲介業者は物件データベース「レインズ」を使って、近隣エリアの不動産価格の相場など多くの情報を入手可能です。
買い手ができるのはせいぜい物件情報サイトを調べるくらい…?
それ以外の情報は、不動産仲介業者を通して一部しか入手できない状態です。
残念ながら、買い手にとって必要な情報のほとんどは不動産仲介業者が自発的に出すことはほとんどありません。
信用できる不動産仲介業者を探すしかない!
家を買わない選択肢もある
家を買う上での不安要素がどうしても取り除けない/取り除くのに多大な労力がかかるなら、家を買わないという選択肢もあります。
また、人によっては家を買わない方が良い場合もあります。
高すぎる買い物をしてしまう恐れがある人は要注意です。
家を買わない方が良い人
自分の家計資産に比べて、高すぎる家を買ってしまう人は要注意です。
例えば、こんな人。
- 自分で調べるのが苦手な人
- 周りと比べてしまう人
自分で調べず、つい売る側の言われるがままになってしまう…。
「人よりもいい暮らしがしたい」などの気持ちが優先して、自分にとって本当に必要かどうか判断ができない…。
こんなケースに該当する場合は要注意!
とはいえ、賃貸に住むか持ち家に住むかは個人の状況に応じて判断するしかありません。
自分自身の価値観やライフスタイルによって自由に決めましょう!
一昔前は、家を買うのが当たり前でした。
今は昔と比べて環境も大きく変わってきています。
「家を買わない」という選択肢も全然アリだと思います。
まとめ
今回は、住宅購入に対する私の考えについてまとめてみました。
- 住宅購入のモチベーションをあげるための優遇措置はたくさんある。家を買うことは、それだけ経済効果が大きい。
- 住宅を一度購入すると簡単には手放すことができない。将来の資産価値を完璧に予想することも難しい。
- 家を買う上での不安要素があるなら、極力取り除いておく。
- 「自分で調べるのが苦手」「つい周りと比べてしまう」場合は、高すぎる住宅を購入してしまう恐れがあるため要注意。
住宅購入に踏みきれない人や住宅購入で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
家を買わないという選択肢もアリだと思うので、いろいろ検討してみて下さい。