手組みホイールを自分で作ってみたいけどできるか不安…。
種類が多すぎてどんなパーツをそろえれば良いのか分からない!
そんな悩みに答えます。
結論は、ずばり「メンテナンスまで含めて自分の乗りたいホイールのイメージを作る」です。
手組みホイールに必要なパーツは次の4つ。
- ハブ
- リム
- スポーク
- ニップル
手組みホイールの醍醐味はなんといっても、好きなパーツを(ある程度制約はありますが)自由に組み合わせて「自分好みのホイール」を作れること。
それぞれのパーツの特徴や種類をある程度知った上で、自分の作りたいホイールのイメージを作っていきましょう!
手組みホイール初心者の私も、ネットであれこれ調べながらパーツを買い揃えました。
買い揃える過程で考えたことなどを中心に解説していきたいと思います。
どんなパーツをそろえれば良いのか購入前の参考になれば幸いです!
それでは詳しく解説していきます。
手組みホイールに必要なパーツ
まず最初に、手組みホイールに必要なパーツとそれぞれの特徴を理解しておきましょう。
満足度の高い手組みホイールを作る上では、最初に「どんなホイールを作りたいのか」ある程度のイメージを作っておくことが重要となります。
手組みホイールに良いところ
手組みホイールの良いところは、ずばり
- 好みのパーツを組み合わせて
- 自分だけのホイールを作れるところ。
世界に1つしかないホイールを作ることも可能!
ホイールとしての性能だけでなく見た目も変えられるので、周りと差別化したい人にはピッタリです。
必要なパーツについて
ホイールは次の4つのパーツで構成されています。
- ハブ
- リム
- スポーク
- ニップル
これらのパーツを自分で選び組むことで、自分だけのホイールが出来上がります。
パーツを選ぶ上では、自分の予算内で最適なパーツを選びたいところ。
そのためには、それぞれのパーツの役割や特徴について理解しておくことが大切!
ここでは、手組みホイールに必要なパーツの役割と特徴について簡単に解説していきます。
ハブ
- ホイールの中心部に位置し、リムを支え自転車の回転を担う超重要な部品。
- フロント用はシンプルだが、リア用はFixedコグやFreeコグを取り付けるためのねじが切ってある。
- 軸に取り付けられたハブボディと、その内部に収まるベアリングで構成される。
リム
- タイヤが取り付けられる円環状の部品であり、ホイールの外周部を構成する。
- ホイールの強度や剛性、重量に影響を与える。
- アルミやカーボンなど様々な素材があり。幅や高さの形状も異なる。
スポーク
- ホイールのリムとハブを結ぶ棒状の部品。
- ハブとリムを中心に均等に負荷を分散する。
- スポークの張り具合によって、ホイールの剛性や強度が変わる。
ニップル
- スポークとリムを接続する部品。
- ニップルの締め付け具合によって、スポークの張り具合を調整する。
- 材質は真鍮(ブラス)やアルミが一般的。
必要な工具について
ホイールを自分で組むためにはある程度の工具も必要になります。
手組みホイールに必要な工具については別の記事でまとめているので、そちらも参考にしてみて下さい。
ということで、ホイールを組むためには「ハブ」「リム」「スポーク」「ニップル」が必要となります。
パーツを買い揃える前に、それぞれのパーツの役割と特徴を理解しておきましょう!
初心者の私が購入したパーツ
手組み初心者である私が今回挑戦したのは、「リアホイール」。
なぜ「リアホイール」なのかというと、「フロントホイール」はカーボンにしたいので手組みできないから!
でも、初めて組むなら左右のスポーク長が同じ「フロントホイール」の方が組みやすいと思います。
ということで、ここからは「リアホイール」を組む際に私が購入したパーツを紹介します。
併せて、パーツ購入に際して私が考えたことも解説していきます。
リム
まず最初にリムから選びました。
リムは、次の点に注意して選ぶ必要があります。
- 自分の自転車に合った「規格」かどうか?
- スポークの「本数」はいくつにするか?
- リムの「高さ」はどれくらいが良いか?
順に解説していきます。
自分の自転車に合った「規格」かどうか?
元々ついていたホイールサイズを確認すればいいだけなので、簡単です。
私の自転車に付いていたホイールは、「700c」という規格でした。
他にも26HEとか650Aとかがあります。
スポークの「本数」はいくつにするか?
リアホイールで組める本数としては、
- 36H
- 32H
- 28H
- 24H
- 20H
があります。
スポークの本数が少なくなれば軽くなりますが、ホイール全体の強度はその分落ちます。
私の場合は、
- 初めての手組みホイールなのでスポーク本数が極端に少ないのは不安
- スポークの本数を多くし過ぎて重量が重くなるのも避けたい
という理由で「32H」にしました。
リムの「高さ」はどれくらいが良いか?
リムの高さによって乗り心地や空力性能が変わってくるので、ある程度こだわりたいところ。
リムの高さによる違いはざっくり次の通り。
【リムハイトが高いホイール(=スポーク長が短い)】
- (ホイール外周付近が重くなるため)巡航速度が高い。
- 横風の影響を受けやすい。
- (スポークが短い分)衝撃吸収しにくい。
リムの高さが低い場合は、上記と逆の特徴を持つことになります。
以上のポイントを踏まえて、リムを選びます。
私は、価格面も考慮して最終的に「H PLUS SON」のリムを選びました。
ハブ
続いて選んだのが「ハブ」。
ハブは、次の点に注意しながら選びました。
- 「自転車の幅」に合っているか?
- ベアリングの「構造」はどっちにするか?
- 「両切りか片切り」どっちにするか?
- 「フランジの大きさ」はどうするか?
順に解説していきます。
「自転車の幅」は合っているか?
ハブはフレームに合ったものを選ぶ必要があるので、まずは自分が持っている自転車のフレーム幅を確認します。
ベアリングの「構造」はどっちにするか?
個人的に、ベアリングの構造は重要なポイントだと思っています。
なぜかというと、この違いによって購入後の乗り方が変わってくるからです。
ネットで購入できる手頃な価格帯のハブとしては、
- Philhood
- SHIMANO
の2つがあります。
「Philhood」はメンテナンスフリーで決して壊れず回り続ける耐久性を追求しています。
あまりメンテナンスせずに長く乗りたい人にはピッタリだと思います。
一方の「SHIMANO」のハブは、スムーズな回転と調整・修理がしやすい設計が特徴です。
メンテナンスを繰り返しながら、高回転性能を楽しみたい人に向いています。
「両切りか片切り」どっちにするか?
ハブには「両切り」と「片切り」の2つのタイプがあります。
- 両切り:左右にコグを付けられるタイプ
- 片切り:片側のみにコグを付けられるタイプ
どちらが良いかは完全に好みなんですが、固定ギアとフリーギアを両方楽しみたい場合は片側固定+片側フリーの「両切り」がオススメです。
「フランジの大きさ」はどうする?
ハブフランジの大きさによってスポークの長さが変わるため、ハブを選ぶ際にはチェックしておく必要があります。
- ラージフランジ(大きいフランジ):ホイール剛性が高くなる半面、フランジが大きい分重量が重くなる。
- スモールフランジ(小さいフランジ):ホイール剛性が低くなるが、ハブが小さい分重量が軽くなる。
「ラージフランジ」は重さよりも、剛性などの強度に重きを置く人向け。
「スモールフランジ」は剛性は落ちるものの、スポークが長くなる分衝撃吸収性は良くなり乗り味はマイルドになります。
以上のポイントを踏まえて、ハブを選びます。
私はさんざん悩んだ挙句、「SHIMANO」のハブを選びました。
メンテナンスしながら長く使っていきたいというのが大きな理由の1つ。
自転車自体がそれほど軽量ってわけでもないので、重量よりも強度を重視してフランジが大きいものをチョイスしました。
フリーギアで乗ることは全く考えていないので、片切り(固定)です!
スポーク
リム・ハブが決まったので、次にスポークを選びます。
スポークを選ぶ際に検討したポイントは次の2点。
- スポークの「断面形状」はどうするか?
- スポークの「長さ」はどれくらいにするのか?
順に解説していきます。
スポークの「断面形状」はどうするか?
スポークは、その断面形状によって空気抵抗が変わってきます。
断面形状が丸い「ラウンドスポーク」、きしめんのように扁平な「エアロスポーク」などが代表的です。
こちらのサイトによると、
- 厚さdの流線形
- 直径d/10の円柱
の空気抵抗はほぼ同じになるとのこと!
スポークの形状が如何に重要かが分かります。
ということで、私はSAPIMのエアロスポークを選択しました。
スポークの「長さ」はどれくらいにするのか?
スポークの「長さ」は選ぶリムやハブの寸法に加えて、スポークの組み方・組数によって変わってきます。
そのため、スポーク長さを決めるために組み方と組数を決めていきます。
スポークの組み方としては、次の2種類があります。
- ラジアル組:スポーク同士が交差せずに放射状にハブからリムに最短距離でつながる
- タンジェント組:スポーク同士が交差しながらハブからリムにつながる
ラジアル組はスポーク長さが最小限で済むため、その分重量が軽くなります。
タンジェント組はラジアル組に比べて重量が重くなりますが、衝撃吸収性が高くなります。
タンジェント組はさらに種類があり、代表的なものとしては
- イタリアン組み:前進に有利な組み方
- JIS組み:前後の負荷に対応できる
があります。
イタリアン/JISの特徴については、こちらのサイトが参考になります。
私は固定ギアで利用するため前後の負荷に対応できる「JIS組み」を選びました。
また、スポークは組数(4本組み/6本組み/8本組み)がありますが、スポーク本数によって対応できる組数が変わります。
私の場合はリムを選んだ時に32Hと決めていたので、それに合う組数としては4本組みか6本組みになります。
ここは、一般的な組数である「6本組み」を選びました。
ここまでで
- リム(の寸法)
- ハブ(の寸法)
- スポークの組み方(ラジアル組/タンジェント組)と組数(4本組み/6本組み/8本組み)
が決まったので、スポーク長さを決めることができます。
スポーク長さは、スポーク長計算サイトで計算します。
「スポーク長 計算」でググるといくつか出てくるので、使いやすいやつを使いましょう。
私は、「スポーク長計算鬼 組まないか」を使いました。
選んだリムやハブの寸法やスポークの組み方・組数を入力すれば、必要なスポークの長さを図の通り計算してくれます。
ニップル
最後はニップルを選びます。
ニップルを選ぶ際に検討したのは「材質」くらい。
真鍮(ブラス)かアルミが一般的だと思います。
それぞれの特徴としては、
- アルミニップル:真鍮に比べて軽いが、割れ等の症状が発生するとのネット情報アリ。
- 真鍮:アルミに比べて重いが安価で壊れにくい。
初心者には真鍮のニップルが安心です!
私はというと、赤のニップル欲しさにPillarのアルミニップルを購入してしまいました…。
まとめ
今回は、手組みホイールに必要なパーツについて解説しました。
- ホイールの手組みに必要なパーツは、「ハブ」「リム」「スポーク」「ニップル」。
- 購入前にそれぞれのパーツの役割や特徴を理解しておくと、より満足度の高いホイールを作ることができる。
私は自分の乗りたい姿をイメージしながら、パーツ選びを進めていきました。
パーツもいろいろな種類があるので正直訳が分からなくなります…。
でも、自分であれこれ考えながらパーツを買い揃えていく過程もめちゃくちゃ楽しいですよ!
今回の記事を参考にして、ぜひパーツ選びを楽しんで下さい!