コーヒーが好きでいろいろ飲むけど、国や産地の種類が多すぎて全然分からない!
そもそも国や産地の違いによってどうして味が変わるの?
こんな疑問に答えます。
結論は、ずばり「コーヒー生豆に含まれるカフェインやクロロゲン酸など成分の違いが風味の違いに影響しているから」です!
これらの成分含有率は、生豆のもととなる実が採れるコーヒーノキの種・品種やその栽培環境、精製方法によって変わってきます。
そこで、今回はコーヒーの味を左右する主な成分と種・品種ごとの違いについてざっくり解説したいと思います。
コーヒーの理解を深める上で参考になれば幸いです。
それでは詳しく解説していきます。
コーヒー豆の種類
コーヒー豆って本当にたくさんの種類がありますよね!
そもそもコーヒー豆ってどうやってできているかご存じですか?
「豆」っていうくらいだから、何かの実からできてるのかな?
コーヒー豆は「コーヒーノキ」の実からできています。
「コーヒーノキ」の実を生産処理・脱穀することでコーヒー豆のもととなるグリーンコーヒー(生豆)になります。
コーヒーノキ:アカネ科のコーヒーノキ属に属する常緑樹
(被子植物門双子葉植物網アカネ目アカネ科コーヒーノキ属)
コーヒーノキ属は100種類以上の種が知られていますが、コーヒー豆を採るために栽培されているコーヒーノキはほんの数種類しかありません!
「アラビカ種」と「カネフォラ種」の2種類がそのほとんどを占めています。
なんと、たったの2種類!
”種”というのはお米でいうところの「日本米」「タイ米」の違いのようなもの。
”種”の下にもっと細かい分類として”品種”があります。
”品種は”お米でいうところの「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」にあたるもの。
コーヒーの”品種”としては「ティピカ」「ブルボン」「ゲイシャ」などが有名ですね。
コーヒーはたくさんの種類がありますが、コーヒーノキの種・品種によって分類できます。
自分が飲んでいるコーヒーがどの種・品種なのか調べてみると面白いかもしれませんね。
コーヒーの味を決める要素
コーヒーノキは多種多様ですが、これらの種・品種によってコーヒーの風味も変わります。
なぜなら、生豆中に含まれる成分が種・品種によって異なるからです。(※)
それぞれの成分が焙煎を通じて化学反応を起こし、独特の風味を生み出すようになるわけです。
※成分含有率は産地や栽培環境、精製方法によっても変わっていきます。
コーヒーの風味を左右する主な成分は次の通りです。
カフェイン
カフェインって苦みのもとでしょ?
実は、カフェインは苦みを決める主成分ではありません。
カフェインはコーヒーの苦みのおよそ1割を担っているとのこと。さまざまな苦み成分の1つとして苦みに複雑さを生み出しています。
ちなみに、苦みの主役は「クロロゲン酸」と「カフェー酸」の加熱物です。
その他の苦み成分は褐色色素です。焙煎が進むと褐色色素の量が増えていき、苦みの強い色素の割合が増えていきます。
浅煎りより深煎りの方が苦みが強いと感じるのはそういうことだったのか。
クロロゲン酸・少糖類
クロロゲン酸と少糖類は、焙煎することで化学反応によって酸味が生まれます。
酸味物質の代表:クエン酸、リンゴ酸、キナ酸、カフェー酸、ギ酸、酢酸など
生豆の焙煎によって酸の総量は増えていきます。
ただ、浅煎りから中煎りをピークにして高温にさらされることで熱分解して徐々に減少していきます。
私も自家焙煎をする時に「焙煎し過ぎて酸味が思ったように出なかった」ことが多々あります…。
アミノ酸
アミノ酸は同じく生豆中に含まれている糖類と反応して、褐色色素を生み出します。(メイラード反応)
この反応がコーヒー豆の焦げ色や香り成分の生成に関与しているようです。
種・品種によってコーヒー生豆中の成分含有率が異なり、それが風味に影響しています。
味わいたい風味を種・品種から探してみるのもいいかもしれません。
自分好みの品種を見つけたら、そこから似たような品種をどんどん試していくのがオススメです!
アラビカ種とカネフォラ種
代表的な種であるアラビカ種とカネフォラ種の違いを簡単にまとめてみました。
特徴 | アラビカ種 | カネフォラ種 |
現在生産されているコーヒーの65%程度を占める。 | 現在生産されているコーヒーの35%程度を占める。 | |
エチオピア(アビシニア)高原が原産 | ロブスタとは「頑強な」「粗野な」という意味 | |
広く一般に好まれる風味を持ち、モカ・キリマンジャロ・ブルーマウンテンなどなじみのあるコーヒーの多くはアラビカ種に分類される。 | 麦茶のような独特の香ばしさ(ロブスタ臭と呼ばれる独特の土臭さ)と強い苦みを持つ。香味はアラビカ種よりも「粗野」だと評価され、安価で取引されている。収量が多い。 | |
香味に優れた高品質のコーヒーとして高く評価されている。 | 苦味のもととなるクロロゲン酸類やカフェインが多い | |
染色体 | 44(味わいが多彩で複雑) | 22 |
高度 | 1,000〜2,000m (気温が低めの高地での栽培に適している。) | 250~1,500m (低地でも栽培可能。) |
根の張り方 | 深い (根を深く張れるようなフカフカの土壌が必要。) | 浅い (どんな土壌にも対応できて丈夫。) |
降雨量 | やや乾燥~湿潤 1,500~2,500mm(年間降水量) (深く根を張るため地表近くが乾いていても繁殖できる。) | 湿潤~多雨 2,000~3,000m(年間降水量) (根が比較的浅いため、多量の雨が頻繁に降る環境が必要。) |
カフェイン | 0.8〜1.4%程度 | 1.7~4% |
クロロゲン酸 | 5〜8%程度 | 7〜11%程度 |
少糖類 | 10%程度 | 3〜7%程度 |
アミノ酸 | 1~2%程度 | 1~2%程度 |
まとめ
今回は、コーヒーの風味が国や産地によって変わることについて解説しました。
- コーヒー豆はコーヒーノキの実からできる。コーヒーノキ属は100種類以上あるが、コーヒー豆を採るために栽培されている種は主に2種類(アラビカ種&カネフォラ種)。
- ”種”の下にもっと細かい分類群として”品種”がある。(ティピカ・ブルボン・ゲイシャなど)
- コーヒーの風味を決める代表的な成分は、「カフェイン」「クロロゲン酸」「少糖類」「アミノ酸」。成分含有率は品種によって異なる。これらの成分が焙煎を通じて化学反応を起こし、独特の風味を生み出している。
普段飲んでいるコーヒーの種・品種を調べてみたり、お気に入りの品種を見つけることでよりコーヒーの世界が深まると思います!
ぜひ試してみて下さい。