自宅でコーヒーを飲むようになったけど、まだまだ目指している味には程遠い…。もっと美味しいコーヒーを作るためにはどうすればいいの?
こんな疑問に答えます。
自宅でもっとおいしいコーヒーを作るためには、ずばり「仕組みを知ること」が大切です!
「コーヒーの焙煎や抽出の過程でどんなことが起きているのか?」仕組みが分かると、楽しさも倍増します。
じゃあ、その「仕組み」ってどうなってるの?
「コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか」に答えがあります。
この本は、コーヒー好きなら一度は疑問に思ったことがある「なぜ?」に答えてくれます。
著者である旦部幸博さんはこんな人。
- 本職は基礎医学・バイオ系の研究者
- 大学1年の冬に見よう見まねで淹れ始めたコーヒーにハマる
- 物事の原理や理論を考えずにはいられない典型的な理系人間
- 国内の専門書から海外の学術論文まで1,000本を超えるコーヒーに係る文献を調べる
そんな著者がこれまでに得た知識をぎゅっと濃縮した本です。
「コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか」を読めばコーヒーができるまでの仕組みが分かり、自宅でもっとおいしいコーヒーを楽しむことができます。
- コーヒーができるまでの過程
- コーヒーのおいしさを決める要素
- 焙煎や抽出の過程で起こる化学反応
それでは詳しく解説していきます。
コーヒーがおいしいと感じるのはなぜ?
ただ何となくコーヒーを飲んでいませんか?
私もそんな一人でした。
良く分からないけど何だかおいしいなぁ。
でもコーヒーのおいしさを決める要素は思っている以上にたくさんあるんです。
コーヒーのおいしさを表現する際にはよく「香り」「苦み」「酸味」が挙げられますが、「コーヒーの科学」ではこれらの正体についても科学的に分析されています。
「香り」について
コーヒーの香り成分(揮発性成分)はおよそ1,000種類以上見つかっているようです。
1杯のコーヒーから検出される香り成分は300種類前後とのこと。成分のバランスによってコーヒーの香りが生みだされます。
「苦み」について
コーヒーを苦いと感じるのはカフェインのせいだと思っていました。
でも実は苦みの主役は別にあるようです。
それはクロロゲン酸の加熱物とカフェー酸の加熱物です。どちらもカフェインの10倍ほどの強い苦みを持っているようです。
「酸味」について
コーヒーの酸味はフルーツの酸味物質として知られる有機酸からもたらされるようです。
もともとコーヒーも木の実ですからね。コーヒーの酸味がフルーツと同じと言われればなんとなく納得します。
人間には非常に多くの”センサー”が付いている
「コーヒーの科学」を読んでみると、コーヒーのおいしさを決める要素が思っている以上にたくさんあることが分かります。
人間がおいしさを感じ取る味覚や嗅覚などの”センサー”についても同様です。
コーヒーを味わうということは、人間の”センサー”1つ1つでコーヒーの豊富な成分を感知していることなんですね。
そう考えてみると、いつもただ何となく飲んでいたコーヒーが味わい深くなったような気がします。
コーヒー豆はなぜ2度ハゼる?
自宅焙煎した方なら一度は疑問に思ったことがあるはず。
なぜコーヒー豆は2回ハゼるのか?
しかも同じように焙煎しても味・香りが変わるのはなぜなのか?
コーヒー豆が2回ハゼる仕組み
1回目のハゼは2回目に比べて低くて大きい音がしますよね?これは大きな空間(豆の奥)から発していることが理由のようです。
2回目のハゼは1回目に比べて高い音が「ピチピチ」と鳴りますが、これは豆の表面付近で起こるとのこと。
ハゼた際に豆の表面(胚芽の真上辺り)に丸く剥がれた箇所があるのは、その証拠ですね。
焙煎してハゼている音を聞くたびに、豆のどこがハゼているのか想像するだけで楽しくなります。
自宅焙煎だと味が安定しないわけ
同じ生豆を何度焙煎してもなかなか同じ味にならない…。
狙った味が出ない…。
実はそれにも理由があるようです。
「コーヒーの科学」によると焙煎中にコーヒー豆が巡った過程によっておいしさが変わるとのこと。そのことを物理的・化学的に説明してくれます。
毎回同じように焙煎しているつもりでも、温度や湿度などコーヒー豆が辿る過程が変わるとコーヒーの味も変わってしまいます。
私自身、狙った酸味が出ないと悩んでいました。その原因はどうやら「焙煎のし過ぎ」だったようです。
コーヒーの酸味はフルーツと同じ有機酸が主な要素ですが、この有機酸は焙煎することで量は増えていき中煎りをピークに減少していきます。
つまり酸味を出すためには、有機酸を減らしすぎないように早めに焙煎を終えるのがポイント。
コーヒーに関する疑問やおいしいコーヒーを作る上での”壁”にぶつかっている時は、「コーヒーの科学」にその答えがあるかもしれません。
おいしく抽出するコツ
自宅でコーヒーを淹れるとき、(ペーパー)ドリップで淹れる方が多いのではないかと思います。
ドリップで味が変わる要因としては、「挽き具合」「湯の温度」「抽出時間」だと言われています。
じゃあ、どうすればおいしく抽出できるのか?
コーヒーの抽出方式には「透過式」と「浸漬式」がありますが、「コーヒーの科学」ではこれらの抽出方式でコーヒーが抽出される様子をさながら物理の実験のようにモデル化してくれています。
物理の実験というと難しそうですが、読み物としてとても分かりやすく書かれているので安心して下さい。
「まずい」成分を極力出さない
ドリップは「透過式」に分類されますが、透過式では上のモデル化された抽出の様子から1つの特徴が見えてきます。
最初に濃縮されて抽出され、流出量が増えるにしたがって薄まるとともに、溶け出しにくい成分の割合が増える
さらに、水に溶けだしにくい成分のなかに「まずい」と感じる成分が含まれているとのこと。
「微粉が多い」「抽出中に攪拌する」「抽出温度が高すぎる」などもまずい成分が出る要因になります。
ネットなどに溢れているコーヒーの抽出方法に係るノウハウにも実は理由があったんですね。そうした理由を「コーヒーの科学」では知ることができます。
ドリップのコツは、ずばり「まずい成分を極力出さないように」淹れることです。
まとめ
コーヒーの焙煎や抽出の過程でどんなことが起きているのか、仕組みを知ることで自宅でもっとおいしいコーヒーを楽しむことができます。
「コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか」には、コーヒーに関するありとあらゆる情報が詰まっています。
コーヒーに関する疑問が浮かんだ時やおいしいコーヒーを作る上での”壁”にぶつかった時に読めば、きっと答えが見つかります!
ぜひ自宅でコーヒーを飲みながら、読んでみて下さい。