早期退職すると介護保険の保険料はどうなるの?
早期退職しても退職前と同じように介護保険の給付は受けられるの?
こんな疑問に答えます。
結論は、ずばり「早期退職後も介護保険料を納める必要がある」です。
介護保険は、介護が必要な人にその費用を給付してくれる公的な社会保険の1つ。
だれでも40歳になると介護保険への加入が義務付けられています。
みんなが納めた介護保険料が介護サービスの支払いなどを支えるために使用されているんだね!
厚生労働省の報告によれば、令和3年3月末時点の要介護/要支援認定者は682万人とのこと。
認定者数は年々増加しているため、介護保険料も増えていく可能性があります。
介護保険の影響も踏まえて、早期退職後のマネープランを検討していきましょう!
それでは詳しく解説していきます。
介護保険ってどんなもの?
そもそも「介護保険」って何なの?
介護保険は、介護が必要となったときに原則1割の自己負担で介護サービスを受けられる制度です。
残りの9割は介護保険に加入してる被保険者が納める介護保険料と公費から支払われていることになります。
介護保険に加入し保険料を納めることで、その保険料が介護サービスの支払いなどを支えるために使用されているわけね!
介護保険の概要
介護保険の被保険者は、65歳以上の「第1号被保険者」と40歳以上65歳未満の「第2号被保険者」に分類されます。
第1号被保険者 | 第2号被保険者 | |
対象者 | 65歳以上の人 | 40歳以上65歳未満の人 |
保険料 | 市町村が所得に応じて決定 | 加入している健康保険(協会けんぽ/組合健保)によって異なる |
納付方法 | 年額18万円以上の年金を受け取っている人は年金からの天引きで納付(年額18万円未満の人は市町村に個別に納付) | 健康保険と一緒に給料から天引きで納付(40歳になった月から徴収開始) |
受給要件 | 要介護状態・要支援状態 | 老化に起因する疾病(特定疾病)によって要介護状態/要支援状態になった場合のみ |
自己負担 | 基本1割(所得によって2割・3割になる人もいる) | 同左 |
健康保険(協会けんぽ/組合健保)に加入している会社員の介護保険料は次の通り計算されます。
介護保険料=標準報酬月額&標準賞与額×介護保険料率
この保険料を会社と被保険者である会社員が半分ずつ負担している形になります。
なお、保険料率は次の通りです。
- 協会けんぽ:1.64%(全国一律)
- 組合健保:平均1.77%
給付内容(要介護状態/要支援状態となったときに受けられる介護サービス)は次の通り。
介護保険は、介護が必要な人にその費用を給付してくれる公的な社会保険の1つです。
早期退職すると介護保険はどうなる?
早期退職したら介護保険料の支払いは無くなる?
介護保険料の支払いは早期退職後も続きます!
介護保険は、医療保険と同じく国民の義務。
だれでも介護が必要な人がサービスを受けられるよう、40歳になったら介護保険への加入が義務付けられています。
早期退職後の選択肢
介護保険の保険料は、加入している医療保険の種類によって異なるもの。
早期退職後にどの医療保険に加入するかによって介護保険料が決まります。
早期退職後、医療保険の選択肢としては次の3つ。
- 健康保険の任意継続
- 国民健康保険に加入
- 家族の扶養に入る
早期退職後はどれを選べばいいの?
夫婦共働きでどちらかが退職する場合は、保険料の負担が無い「家族の扶養に入る」のが一番。
扶養に入れない場合は、「任意継続する」か「国民健康保険に加入する」かは保険料で決めれば良いと思います。
早期退職後の医療保険については別の記事で纏めています。こちらも参考にして下さい。
介護保険料は、加入する医療保険(健康保険の任意継続、国民健康保険)の保険料と合わせて納付します。
早期退職後も医療保険と同じように介護保険の保険料も支払い続けていくことになるのね…。
早期退職後に発生する支出の1つとしてきちんと把握しておきましょう。
まとめ
今回は、早期退職後の介護保険について解説しました。
- 介護保険は、介護が必要な人にその費用を給付してくれる公的な社会保険の1つ。
- 会社員であれば、介護保険の保険料は健康保険と併せて給料から天引きされる(満40歳になった月から)。
- 早期退職後も介護保険料の支払いは続く。早期退職後は加入する医療保険(健康保険の任意継続、国民健康保険)の保険料と併せて介護保険料も納付する。
医療保険と同じく介護保険の保険料も一生涯支払い続けるものなので、早期退職後の資産運用を検討する上ではきちんと把握しておくことが大切です!