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【インフレ対策】株式・債券以外の分散投資先としてREITを選ぶポイント

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REIT購入を検討する人その1

資産の分散先として不動産を組み入れたい。

不動産そのものを所有するより流動性が高くて、エリアも分散しやすいREIT(リート)が良さそう。

REIT購入を検討する人その2

REITっていろいろあるけどどれが良いの?

選ぶポイントとかあれば教えて欲しい!

そんな疑問に答えます。

本記事の内容
  • REIT(リート)とは
  • サラリーマンがREIT購入を検討している理由
  • REITを購入する手段
  • REITを選ぶポイント
  • 日本だけでなく海外も検討してみる

今回は株式以外の分散投資先としてREITを選ぶ際のポイントについて解説します。

長期運用が前提であれば、ポイントは次の3つだと考えています。

  1. 指数に連動する
  2. 運用コストが低い
  3. 自動で分配金を再投資してくれる

私も国内REITのETFを1つ保有していますが、もっと分散させたいと思っているところ。今後どのREITが良いのか検討する中で考えたことを中心に記事に纏めていく予定です。

これからREIT購入を検討している人にとって参考になれば幸いです。

なお、実際に投資を行う際にはさまざまなリスクを正しく認識したうえで、自分自身の判断と責任に基づいて行なうようにして下さい。投資は自己責任でお願いします!

REIT(リート)とは

REIT(リート)とは不動産投資信託証券のことで、Real Estate Investment Trustの頭文字をとってREITです。

REITは投資家から集めた資金でオフィスビル・マンション・商業施設・倉庫などの不動産を取得・管理・運用し、そこから生じる利益を配当金として投資家に分配する仕組み。

REITの特徴

REITって不動産を直接購入するのと何が違うの?

不動産を直接購入するのと比較して、REITには次のような特徴があります。

少ない資金で投資できる

ビルやマンションなどの不動産を購入しようと思ったら非常に多くのお金が必要ですよね?個人でそんな不動産を直接購入できるのはお金持ちだけです。

でもREITなら多くの投資家から少しずつお金を集めることで、ビルやマンションを購入することが可能になるんです。

複数の不動産に分散投資しやすい

不動産を直接購入する場合、お金がたくさん無い限りは購入できる不動産は特定のものに限定されてしまいます。一方、REITは複数の不動産に投資できるためリスクを分散させることができます。

流動性が高い

不動産を直接購入した場合は、買いたい相手を見つけないと不動産を売ることはできません。

一方、REITなら証券取引所に上場されているため一般の株式と同じように好きな時に売買することができます。

デメリットは?

投資する上ではデメリットについても理解しておくことが大切ですね。

REITのデメリットとしては、次の2点だと考えています。

株式と同様に元本が保証されない

不動産投資はミドルリスクミドルリターンと言われており、REITも株式より値動きが小さく安定している傾向があります。ただし、株式同様に元本が保証されるものではないので購入した時より価格が下落することもあります。

また、株式が大きく下落するときはREIT価格も大きく下落(場合によっては株式以上に)しています。

過去5年間の東証REIT指数と日経平均株価を比較してみると、2020年に新型コロナウイルスの影響で日経平均株価が大きく下落したタイミングで東証REIT指数はそれ以上に下落していることが分かります。

リスク(賃料・地価の変動、金利変動)がある

REITは不動産を運営することによって収益をあげています。そのため、不動産市場の変化や金利変動など経済情勢の変化によって賃料や地価が変動すれば得られる利益も変わってきます。

また、REITは災害リスクの影響もあります。災害によって投資している不動産が被災した場合には収益が失われる可能性があるからです。

サラリーマンがREIT購入を検討している理由

ちょうど新型コロナウイルスが流行し始めた頃、我が家の資産を銀行だけに置いておくことに危機感を感じるように。既に投資信託や個別株式などに投資はしていたものの、資産をより幅広く分散させることを決心。

株式以外の分散投資としては金や不動産などの実物資産があります。

サラリーマンがマンション投資でお金持ちになる話はよく聞きますよね。私も憧れますが、残念ながら不動産投資に関してはど素人。それなら不動産を直接購入するのではなく、REITの方が合っているんじゃないかと。

REITなら日本だけじゃなく海外の不動産に投資するのも比較的簡単。

また、我が家は持ち家ではなく賃貸暮らし

今後インフレによって家賃が上昇してしまう可能性があります。それを踏まえると、家賃上昇をヘッジする意味でも不動産投資をしておくべきなんじゃないかと考えました。

REITを購入する手段

REITを購入する手段としては次の3つがあります。

①REITの個別銘柄を購入する

個別銘柄の購入方法は株式と同じ。1口単位で購入でき、価格が低いものだと数万円台から購入が可能です。

個別銘柄は取り扱っている不動産の業種によって様々な種類があります。

オフィス・住宅・物流施設・商業/店舗・住宅・ホテル・ヘルスケアなどの単一用途に特化したタイプ。または、これらを組み合わせた複合型(2種類を組み合わせたもの)・総合型(3種類以上を組み合わせたもの)のタイプなど。

個別銘柄のメリット・デメリットとしては、

【メリット】

  • 自分が良いと思った銘柄を個別に選んで投資できる
  • コストは売買手数料のみ

【デメリット】

  • 分散がしにくいのでリスクが集中しやすい
  • 最低でも数万円の投資資金が必要
  • 自動で分配金再投資できない

といった感じ。

不動産の業種(セクター)によって景気変動などの影響を受ける度合いも変わってきます。

ある期間でみた場合、セクターによって価格の上がり下がりにも差が生じることになります。個別銘柄は当たれば大きく儲けることができる反面、リスクが集中して大きく損をする可能性もあります。

また個別銘柄を購入する場合は、最低でも数万円単位の投資資金が必要になります。分配金を再投資する場合には、多額の投資をしない限り1回の分配金で再投資するのは難しいです。

②REIT指数に連動する投資信託を購入する

投資信託は株式と同じようにインデックス運用のものとアクティブ運用の物があります。

インデックス運用東証REIT指数などのインデックス(指標)と同様の運用成果を上げることを目標とする運用スタイル
アクティブ運用東証REIT指数などを上回る運用成果を上げることを目標とする運用スタイル

投資信託のメリット・デメリットとしては、

【メリット】

  • 少額積立投資に向いている
  • 分散投資ができる
  • 自動で分配金を再投資してくれる

【デメリット】

  • 保有している期間中コストが発生する

といった感じ。

投資信託はファンドの管理・運用の経費として、保有している期間はずっと信託報酬などのコストが発生します。ただし株式と同じように指数に連動するインデックスファンドの方が、アクティブファンドに比べて運用コストは低い傾向があります。

投資信託のメリットは少額の資金から投資ができるため積立投資に向いていることと、投資対象となる指数にさまざまな銘柄が含まれているため分散が効くということです。

さらに、分配金を受け取るタイプ(分配型)と分配金を受け取らず再投資するタイプ(資産成長型)があるというのもポイント。

③REIT指数に連動するETFを購入する

ETFは「Exchange Traded Fund」の略で上場投資信託というもの。上場しているので株式と同じように売買することが可能です。

REITにも東証REIT指数などに連動するETFがあります。

ETFのメリット・デメリットとしては、

【メリット】

  • 少額で分散投資ができる
  • 運用コストが低い

【デメリット】

  • 保有している期間中コストが発生する
  • 積立投資に向いていない
  • 自動で分配金を再投資できない

ETFは投資信託と同様に指数に連動するため、分散効果が期待できます。

また1~10口単位で売買できるので、個別銘柄を購入するのに比べて比較的少額から投資が可能です。

ETFも投資信託と同じように保有している期間中にコストが発生しますが、一般的に投資信託に比べてETFの方が運用コストは低いです。

例えば、同じ東証REIT指数に連動する投資信託とETFを比較してみると次の通りでした。

投資信託eMAXIS Slim 国内リートインデックス信託報酬0.187%
ETFJ-REIT ETF [1343]信託報酬0.1705%

ETFは金額指定で買えないため、毎月一定額を積立投資するには不向きです。

また、分配金を再投資したい場合には自分で行う必要があるため、その点は手間がかかります。

REITを選ぶポイント

株式以外の分散投資先として、私がREITを選ぶポイントは次の3つです。

①指数に連動する

REITの候補は指数に連動するものに絞ります。

理由は、今後どの分野の不動産が儲かるのか予測できないから。

不動産の業種によって景気変動などの影響を受ける度合いも変わってきます。

最近の例ですと、ネットショッピングの普及・発展によって物流施設の需要が増加しましたが、一方でコロナウイルスの影響でオフィス・ホテル需要は減少しました。

今後不動産の需要がどのように変化していくのか、REITに投資する上では考える必要があるのかもしれません。

でも私自身は正しい投資判断ができるとは思ってないので、潔く指数に連動するタイプに投資します。

でも個別銘柄の方が儲かるんじゃないの?

確かに不動産の需要動向を予測し、ある特定のセクターに一点集中で投資すれば大きなリターンが期待できます。

指数に連動するタイプより稼げる個別銘柄はあると思いますが、自分でその銘柄を見つけるためにはある程度の不動産に関する知識や調査の時間が必要となります。

また長期間継続して指数より高い収益を得られる保障もありません。

指数に連動するREITであれば短期間で儲けることは難しいですが、平均的なプロと同等の投資成果を得ることが可能なので長期運用なら大きなリターンを期待できます。

ということで、私がREITを選ぶ1つ目のポイントは「指数に連動する」です。

②運用コストが低い

1つ目のポイントとして指数に連動するREITを選ぶことは解説した通りですが、その中でも信託報酬などの運用コストが極力低いものから選びます。

理由は、運用コストが運用成績に影響するからです。

指数に連動するREITはファンドの管理・運用の経費として、保有している期間はずっと信託報酬などのコストが発生します。

例えば、信託報酬が0.2%と0.3%でどれくらい運用成績に影響するか見てみます。

投資金額100万円を利回り5%の商品に一括投資して、20年間運用した場合を比較してみました。ここでは簡略化のため、運用期間中に発生するコストは信託報酬のみとしました。

信託報酬が0.1%違うだけで、20年間で5万円程度の差が生じる計算です。たったこれだけの違いですが、長期で運用するとその影響は徐々に大きくなっていくことが分かります。

ということで、私がREITを選ぶ2つ目のポイントは「運用コストが低い」です。

③自動で分配金を再投資してくれる

分配金を出さずに自動的に再投資してくれるタイプを選びます。

理由は、複利効果で資産が増えやすくなるからです。

複利効果は運用で得た収益を再び投資することで、利益が利益を生んで増えていく効果のこと。投資対象が毎年決まったリターンを稼ぎ続けるなら、再投資によって資産は雪だるま式に増えていきます。

不動産投資の魅力の1つが定期的に貰える分配金ですよね。

分配金が貰えるのはうれしいですが、分配金として出ていく分REITの基準価は値下がりしてしまいます。

例えば、アメリカのREIT指数(FTSE NAREIT エクイティREIT・インデックス)に連動する「USリート・インデックス・ファンド」は分配金を受け取るタイプ(分配型)と分配金を受け取らず再投資するタイプ(資産成長型)があります。

基準価額の推移を比較してみると次の通り。

赤い「分配型」は分配金を出していく分、青い「資産成長型」より基準価額が低くなります。また時間の経過とともにその差が大きくなっていますね。

分配型で複利効果を得るためには、自分で分配金を再投資する必要があります。

資産成長型であれば自動的に分配金を再投資してくれるので、自分で分配金を再投資する手間が省けます。

ここで注意しなければならないのは、複利効果は毎年決まったリターンを稼ぎ続けた場合に有効であるということ。

基準価額が上昇する局面で資産は雪だるま式に増えますが、下落する局面では資産は逆に減ってしまいます。

例えば株式市場は長期で見れば右肩上がりに推移してきました。特にアメリカ株式市場は強いですよね。

しかしREITは不動産という性格上、株式のように将来的にずっと成長していくかというと正直疑問も。もしかしたら株式ほどの複利効果は難しいかもしれません。

ただ、長期運用であれば分配金を再投資していく方が良い運用成績が期待できそうです。

ということで、私がREITを選ぶ3つ目のポイントは「自動で分配金を再投資してくれる」です。

日本だけでなく海外も検討してみる

投資先を分散することを考えると、REITの対象エリアは日本だけでなく海外も含めたいところ。

2018年3月末時点の国・地域別REITを見てみると、アメリカが群を抜いて規模が大きいことが分かります。

時価総額銘柄数
1米国1,124,778226
2日本119,46960
3オーストラリア103,25249
4フランス91,85728
5英国88,86862
6シンガポール69,83340
7カナダ54,51841
8香港32,0689
9南アフリカ27,50730
10スペイン26,54254
引用元:不動産証券化協会

エリアとしてアメリカは外せませんね。それ以外の国にどう分散するかが今後の検討事項になりそうです。

まとめ

  • リート=不動産投資信託証券、Real Estate Investment Trustの頭文字をとってREIT。
  • REITは不動産を直接購入するのに比べて、少ない資金で投資できる・複数の不動産に分散投資しやすい・流動性が高いといった特徴がある。
  • REITを購入する手段は「個別銘柄」「投資信託」「ETF」の3つがある。
  • 株式以外の分散投資先として、REITを選ぶポイントは①指数に連動②運用コストが低い③自動で分配金を再投資の3つ。ただし、長期運用が前提。
  • 世界のREITに投資するならアメリカは外せない。

今回はREITを選ぶ際のポイントについて解説しました。

株式以外の分散投資先としてREITの購入を検討している方はぜひ参考にして下さい。

実際に投資を行う際にはさまざまなリスクを正しく認識したうえで、自分自身の判断と責任に基づいて行なうようにして下さい。投資は自己責任でお願いします!