早期退職して働かずに暮らしていきたいけど、給料無しで本当に生活できるのかな?
退職後に株式市場が暴落したりして保有資産が大きく目減りしたらどうしよう!
こんな疑問に答えます。
早期退職後に株式市場暴落リスクに対処する方法は、ずばり「下落相場を乗り切れるだけの現金を準備しておく」です。
下落相場で保有資産を売却すると投資元本が大きく目減りしてしまい、老後を最後まで全うできなくなる(資産が底をつく)可能性が高くなります。
じゃあ、どうすればいいの??
そうならないために、下落相場を乗り切れるだけの現金を用意しておきましょう。そうすれば、投資元本が元の水準に戻るまで資産に手を付けずに済みます。
「FIRE 最強の早期リタイヤ術」で紹介されている「現金クッション」と「利回りシールド」を上手く活用すれば、下落相場に見舞われても対処できそうです。
そうすれば、早期退職しても働くことなく安心して生活できるようになりますね。
それでは詳しく解説していきます。
早期退職直後に株式市場が暴落したら
念願のFIREを達成!でも、4%ルールに基づいて保有資産を取り崩しながらの生活を始めようとした矢先に株式市場が暴落!
生活費のために資産を売却して現金化しないと。
投資元本が大きく目減りしているところで、資産を売却するのはNGです!
下落相場で保有資産を売却すると元本が大きく毀損してしまい、その後の上昇相場でも取り戻すことが困難になります。
最悪の場合、資産が途中で底をついてしまう可能性も!
FIREでおなじみの「4%ルール」。
毎年”4%”ずつであれば、投資資産を取り崩しても30年は底をつかないというもの。
4%ずつ資産を取り崩しても、100人に95人は老後を最後まで全うできます。
ということは、100人に5人は途中で資産が無くなっちゃうの?
4%ルールで資産が底をつくケース
では、4%ルールにおいて資産が途中で底をつくのはどんなときでしょうか?
ここで、2つのケースを考えてみます。
まず、①好景気の直前に早期退職するケースです。
この場合、上昇相場によって投資元本が大きくなります。
たとえその後に下落相場が来ても不安になることはありません。4%ルールが成功するパターンですね。
では、②不景気の直前に早期退職するケースはどうでしょうか?
この場合、不景気によって投資元本が大きく目減りすることになります。
下落相場では資産を売却せずにじっと耐えるのが定石ですが、早期退職して収入ゼロではそうも言っていられません。なぜなら、生活費のために資産を売却しなくてはいけないからです。
下落相場で資産を売却すると元本が大きく毀損してしまい、その後に上昇相場が訪れたとしても資産を取り戻すことが難しくなります。
全ては運次第ということね…。
早期退職直後に下落相場に見舞われても、投資資産を売却するのはNG!
4%ルールで生き残れない可能性が高くなります。
安心して早期退職するために
4%ルールで生き残れない可能性があるなら、安心して早期退職できないよ!
退職後に下落相場が訪れないことを天に祈るしかないの??
早期退職後の下落相場を乗り切るには、「現金クッション」と「利回りシールド」が有効です。
株式市場の暴落に備えて現金を用意しておけば、下落相場の中で生活費のために泣く泣く投資資産に手を付ける事態を回避できます。
「現金クッション」と「利回りシールド」で早期退職リスクを減らす
「現金クッション」は、下落相場でも保有資産を売却せずに済むように用意しておく緊急時用の現金のこと。
どれくらいの現金を用意しておけばいいの?
個人の支出に基づいて計算する必要があります。
株式市場が暴落してから立ち直るまでの期間を5年間と想定すれば、用意しておくべき金額は
現金クッションとして必要な金額⇒年間支出の5年分
となります。
例えば、年間支出が400万円だとすれば2,000万円(400万円×5年間)が現金クッションとして用意しておくべき金額ということになります。
FIREするために1億円くらい必要だって言われているのに、さらにそんな用意できないよ!
そこで「利回りシールド」を活用します。
「利回りシールド」は、高利回りETFを保有することで分配金を得る方法です。
分配金としてお金が入ってくる分、緊急時用の現金が少なく済みます。
4%ルールで生き残るためには、早期退職直後の数年間を投資資産に手を付けずに乗り切る必要があります。そこで、退職直後に”一時的に”資産を高利回りETFに置き換えるわけです。
例えば1億円の資産を利回り3%のETFに置き換えると、300万円の年間配当金が入る計算です。
そうなれば、年間支出400万円の人が「現金クッション」として用意すべき現金は
400万円(年間支出)ー300万円(年間配当金)=100万円/年
となるので、5年間では500万円になります。
2,000万円の現金を準備するのは大変ですが、500万円ならなんとかなるレベルですよね。
ただ、いきなり全資産を高利回りETFに置き換えるのはなかなか怖いですよね…。
そんな場合は、資産の一部だけでもETFに置き換えるのでもOK。
ETFからの配当金が退職後の貴重な収入源になります!
安心して早期退職するためには、「現金クッション」と「利回りシールド」が有効です。
高利回りETFの候補
緊急時用の現金と併せて高利回りETFを保有しておけば、早期退職後も不安になさそう。
じゃあ、高利回りのETFってどんなものがあるの?
候補としては、「高配当株」「債券」「REIT」辺りが良さそうです。
利回りだけを追い求めると思わぬリスクを背負うことにも繋がります。ETFを購入する際には、中身をしっかり確認して運用コストなど含めて総合的に判断しましょう。
個人的には次のETF辺りが候補になるかと思います。構成銘柄数も十分多く、運用コストも低いです。
高配当株ETFの候補
ティッカー/コード | SPYD | VYM | HDV | 1489 | 1577 |
名称 | SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF | バンガード・米国高配当株式ETF | iシェアーズ コア米国高配当株 ETF | NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 | NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信 |
ベンチマーク | S&P 500 High Dividend Index | FTSE High Dividend Yield Index | Morningstar Dividend Yield Focus Index | 日経平均高配当株50指数 | 野村日本株高配当70 |
分配金利回り | 3.56% | 2.84% | 3.15% | 4.32% | 3.72% |
経費率 | 0.07% | 0.06% | 0.08% | 0.308% | 0.352% |
組入銘柄数 | 79 | 443 | 75 | 50 | 70 |
純資産額 | 6,456.75 百万USドル | 43,769.48 百万USドル | 9,594.72 百万USドル | 355.3 億円 | 724.4 億円 |
設定日 | 2015/10/22 | 2006/11/10 | 2011/3/29 | 2017/2/13 | 2013/3/7 |
債券ETFの候補
ティッカー/コード | BND | AGG | 2510 |
名称 | バンガード・米国トータル債券市場ETF | iシェアーズ コア米国総合債券ETF | NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信 |
ベンチマーク | Bloomberg US Agg Float Adjusted Index | Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index | NOMURA-BPI総合 |
分配金利回り | 2.11% | 1.89% | 0.49% |
経費率 | 0.03% | 0.03% | 0.077% |
組入銘柄数 | 10176 | 10341 | 1172 |
純資産額 | 81,022.64 百万USドル | 82,574.63 百万USドル | 534.2 億円 |
設定日 | 2007/4/3 | 2003/9/22 | 2017/12/11 |
REIT ETFの候補
ティッカー/コード | RWR | XLRE | 1476 | 1343 | 1488 |
名称 | SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF | 不動産セレクト・セクターSPDRファンド | iシェアーズ・コアJリートETF | NFJ-REIT | ダイワ東証REIT指数 |
ベンチマーク | Dow Jones US Select REIT Index | Real Estate Select Sector Index | 東証REIT指数 | 東証REIT指数 | 東証REIT指数 |
分配金利回り | 3.07% | 2.84% | 3.34% | 3.33% | 3.33% |
経費率 | 0.25% | 0.11% | 0.165% | 0.1705% | 0.1705% |
組入銘柄数 | 116 | 30 | 61 | 61 | 61 |
純資産額 | 2,018.09 百万USドル | 5,814.53 百万USドル | 3,325.4 億円 | 4,569.4 億円 | 2,045.74 億円 |
設定日 | 2001/4/23 | 2015/10/7 | 2015/10/19 | 2008/9/18 | 2016/10/25 |
なお、実際に投資を行う際にはさまざまなリスクを正しく認識したうえで、自分自身の判断と責任に基づいて行なうようにして下さい。投資は自己責任でお願いします!
まとめ
FIREで早期退職した後に株式市場が暴落!そんなリスクに対処する方法について解説しました。
- 下落相場で投資資産を売却するのはNG。元本が目減りし、資産が底をつく可能性が高くなる。⇛4%ルールで生き残れない。
- 4%ルールで生き残るために、下落相場を乗り切れるだけの緊急時用の現金を用意しておく(現金クッション)。用意すべき金額は、年間支出5年分が目安。
- 緊急時用の現金と併せて高利回りETFを持つことで、配当金収入が入る分用意する現金も少なくて済む(利回りシールド)。
「FIRE 最強の早期リタイヤ術」で紹介されている「現金クッション」と「利回りシールド」をうまく活用すれば、早期退職後も働くことなく安心して生活できるようになりそうです!
今回の記事が、FIREを目指す上での参考になれば幸いです。
「FIRE 最強の早期リタイヤ術」には「現金クッション」「利回りシールド」以外にも参考になる情報が盛り沢山!
FIREを目指す上で読んでおいて損はないので、まだの方はぜひ読んでみて下さい!